• 2025年9月30日

蜂窩織炎(解離性:頭皮に痛みを伴う斑状の脱毛)

47歳男性。特記すべき既往はない。7ヵ月前から頭部に痛みを伴う発疹が出現し、経口抗菌薬投与がなされたが、改善を認めず頭皮が痛いため、救急外来受診。

バイタルサインは正常

受診時身体所見としては、頭皮の頂部に疼痛を伴うまだらな脱毛所見を認め、同部位は結節様所見であった。また同部位は化膿を認めるものの、排液は認めなかった。

その他有意な身体所見は認めなかった。

採血所見ではWBC正常、HIVや梅毒は陰性であった。

頭皮の「解離性蜂窩織炎」と診断した。

頭皮の解離性蜂窩織炎は化膿性結節と斑状の脱毛を特徴とする慢性炎症性皮膚疾患。

化膿性汗腺炎や毛嚢嚢胞、ざ瘡により濾胞閉塞を併発することがあるが、本症例はいずれも存在しなかった。

グルココルチコイド軟膏、および経口ドキシサイクリンによる治療が行われ、4週間後には頭皮の腫脹と化膿は軽快した。

N Engl J Med 2023; 388:1608

DOI: 10.1056/NEJMicm2211456

柏五味歯科内科クリニック

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