• 2025年10月27日

関節リウマチ(RA)患者さんの足関節破壊を伴う機能障害に対しては人工足関節全置換術、足関節固定術を考慮します

関節リウマチ患者さんの足関節破壊を伴う機能障害に対しては、人工足関節全置換術や足関節固定術を考慮することができます。これらの手術は、痛みや機能障害が強い場合に、関節の機能回復や痛みの緩和を目的として行われます。それぞれの特徴を見ていきましょう。

■人工足関節全置換術

  • 特徴:変形した足関節の表面を取り除き、人工関節に置き換える手術です。関節の滑らかな動きを再現することを目指します。
  • 適応:骨や関節の破壊が進行し、強い痛みや機能障害があり、日常生活に支障をきたしている場合に適応となります。

人工足関節全置換術(TAA)の報告は膝関節や股関節全置換術と比して報告が少ないです。

レジストリ研究

・足関節障害に対してTAAは除痛という意味で十分有効で、10年人工関節生存率は61~95.4%。

・足関節固定術は長期的に安定した成績と実績があり、昔からよく行われている。

■足関節固定術

  • 特徴:破壊された関節を金属などを用いて固定し、一体化させる手術です。
  • 適応:関節の破壊が重度で、人工関節に置き換えるのが難しい場合などに選択されることがあります。

系統的レビュー

・「TAAと足関節固定術どちらがよいか」に関しては両手術による機能改善、および再手術率は同等。

(ちなみに変形性関節症の場合に関しては足関節固定術の方が術後機能改善率がやや良いですが、術後合併症発生率も足関節固定術の方がやや高いです)

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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