• 2025年10月2日

HSV-1感染症(粘膜限局性新生児HSV-1感染症)

妊娠32週の自然経腟分娩直後に女児に水疱性の皮膚病変があることがわかった。

出産の12日前に早期破水を認めた。

身体検査では新生児の胴体(A)や臍周囲(B)、その他咽頭や鼻、結膜の粘膜に小胞のクラスターを認めた。

母親の生殖器や胎盤には病変は見られなかった。

乳児の皮膚・結膜・咽頭・血液から採取したサンプルをPCR検査施行したところ、HSV-1陽性だった。

腰椎穿刺、肝酵素は正常だった。

「皮膚・眼・粘膜限局性新生児HSV-1感染症」と診断された。

母親は以前のHSV-1感染歴は認めなかったが、産後の子宮頚管内PCRアッセイではHSV-1陽性だった。

病態としては、妊娠後期の母体の初感染が上行性子宮内感染を引き起こし、長期にわたる破水後の早産に繋がった可能性があると考えられた。ACVによる治療が行われた。

児は2歳の時点で再発をしておらず、発達も正常に推移できている。

N Engl J Med 2023; 388:1209

DOI: 10.1056/NEJMicm2035394

柏五味歯科内科クリニック

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