- 2025年11月1日
発症早期EORA(高齢発症関節リウマチ)には短期間PSL投与は疾患活動性を低下させる

EORA(高齢発症関節リウマチ)の治療法は、まだ確立されていませんが、一般的な関節リウマチ治療に加えて、高齢者特有の合併症に注意した治療が行われます。具体的には、生物学的製剤(bDMARDs)やJAK阻害薬などの薬物療法のほかに初期はステロイド(PSL)を用いて治療する、という傾向にあります。なぜPSLを用いることが多いのかに関しては、EORAに対するPSL併用の有効性が検証されたRCTはないため、レジストリ研究がメインになりますがエビデンスがあります。
・EORAと非EORAを比較するとDAS28寛解達成率はEORAの方が低い(Int J Rhum Dis 2019:22:1084-1093)
・関節破壊はEORAも非EORAも同程度。
・EORA関節予後研究ではリスク因子は、高疾患活動性、ACPA陽性、診断時の骨びらんの有無
・非RAでも短期間PSL投与は関節予後改善に寄与する。
現時点では「非EORAがPSL併用効果があり、他剤の効果もEORAと非EORAがほぼ同等なので、EORAでもPSLも効果があるのではないのかと考える」というエビデンスレベルです。
非EORAでも「何年以内にPSLをoffにする」という決まりがないようにEORAでも推奨なし。
ただEORAの方がより副作用が出やすいことを考えると、非EORAの目安が2年以内としていることが多いことより2年以内は一つの目安となります(ずるずるPSLを使っていると一生切れなくなります)。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
ホームページ