• 2025年9月27日

舌毛症(舌の色が変わり、舌から毛が生えてきた)

64歳男性。約2週間前から舌の色が緑色になってきて舌から毛が生えるため内科外来を受診。

約21日前に歯周病を治療するためにクリンダマイシンが処方され、その後下の変色が始まった。

口腔カンジダ症の可能性を治療するためFLCZ(フルコナゾール)が処方された。

しかし、舌の変色は続いた。また舌に毛が生えてきたため内科外来を受診。

受診時の身体所見では、舌には細長い糸状乳頭があり、緑色に変色していた。

歯には変色を認めず、口腔にも特記すべき所見を認めなかった。

「毛舌」と診断された。

毛舌は舌の背側にある糸状乳頭の伸長と変色を伴う良性疾患。

危険因子には喫煙・脱水・口腔衛生不良・抗菌薬使用がある。

舌の変色は「黒色」が最も多い。

この場合は「黒毛舌」と呼ばれる。

色は緑や黒や黄色もありうる。

患者には1日4回の歯ブラシで舌の表面を優しくこするようにアドバイスされ、禁煙指導もなされた。

6か月後、患者は喫煙を続けていたが、舌の外観は正常に戻った。

N Engl J Med 2023; 389:e3

DOI: 10.1056/NEJMicm2300789

柏五味歯科内科クリニック

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