- 2025年9月29日
結節性リンパ管炎(ガーデニングによるノカルジア感染症)
75歳女性。ガーデニング中に手背にとげをさしてしまった。以降右手のみならず前腕もはれ上がってきてしまったため来院。
来院時身体所見としては右手の背に蛇行状に並んだ圧痛を伴う硬結を認め、その上に紅斑があったが排液は認めなかった。

右前腕に背側には圧痛のある紅班性結節を2つ認め、近位側にある結節は潰瘍形成を認めた。

右腋窩リンパ節を触れた。
手の病変を切開し内容物を培養に提出。
糸状のグラム陽性桿菌を認め、のちにノカルジアブラジル(Nocardia brasiliensis)であることが同定された。
以上より「スポロトリコイド結節性リンパ管炎」と診断された。
結節性リンパ管炎は感染性の皮下結節がリンパ管に沿って接種部位から近位に広がる時に生じる。
主にスポロトリコイド症で発症するが、ノカルジア種やマイコバクテリウム・マリナムやリーシュマニア・ブラジリエンシスにおいても同様に報告がある。
ST合剤にて加療し、病変は治癒した。
N Engl J Med 2023; 388:1701
DOI: 10.1056/NEJMicm2213996
柏五味歯科内科クリニック
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