• 2025年9月29日

リウマチ治療における生物製剤(TNF阻害薬:インフリキシマブ・エタネルセプト・アダリムマブ・ゴリムマブ・スリムリズマブ・オゾラリズマブ)

抗リウマチ薬(csDMARD)で効果不十分な中等度以上の疾患活動性を有する関節リウマチ(RA)患者へはTNF阻害薬の併用が効果を示します。

その根拠を共有しておきます。

■TNF阻害薬追加による疾患活動性制御

・24週でACR50の達成割合は追加で下記すべてにおいて有意差あり

 IFX  RR=5.63、95%CI 2.02~15.66

 ETN  RR=8.89、95%CI 3.61~21.89

 ADA(40㎎/隔週) RR=3.73、95%CI 2.21~6.29

 CZP RR=2.57、95%CI 1.34~4.94

   OZR  RR=3.99、95%CI 2.34~6.79

■重篤な感染症

・52週での評価:下記通りCZP(シムジア🄬)以外は有意差はついていない。

IFX  RR=0.29、95%CI 0.06~1.34

ETN  RR=1.24、95%CI 0.72~2.45

ADA(40㎎/隔週) 実施されていない

GOL RR=1.09、95%CI 0.54~2.18

CZP RR=3.30、95%CI 1.45~7.51

OZR RR=1.73、95%CI 0.37~8.11

2020年からOZR(オゾラリズマブ;ナノゾラ🄬)が追加。

TNF阻害薬導入で、ACR50達成割合はいずれも増加。重篤な感染症はCZP以外は有意差ついていない。

日本人RAにおいて、bDMARD以外のDMARD治療群と比較し、IFX、ETNによる重篤感染症発現のRR=1.97、95%CI 1.25~3.19と有意差があった。

そのリスク因子は「高齢」「慢性肺疾患」「DAS28-CRP」「MTX>8㎎/週」「PSL≧10㎎/日」であった(Arthritis Care Res 2012;64:1125-1134)。

上記リスクを考慮しながら治療を行っています。

柏五味歯科内科クリニック

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