- 2025年10月2日
TNF阻害薬を用いて寛解に至った関節リウマチ(RA)患者は3~12カ月寛解を維持させたのち減量もしくは投与期間延長させていく

TNF製剤を用いて寛解に至ったのちの選択肢としては現状維持のほかに、「減量」「中止」「期間を延長」の3種類あります。いずれの選択肢がよいのでしょうか?エビデンスをもとに解説します。
■低疾患活動性または寛解を3~12か月維持した患者にTNF阻害薬を減量していく
→52週後の寛解(DAS28<2.6)維持率は継続群と比較して有意差なし(RR=1.01、95%CI0.80~1.28)
→52週後の関節破壊の進行(mTSS>0.5)に有意差なし(RR=1.22、95%CI 0.76~1.95)
→52週後のHAQにおいても有意差なし(MD=0.09、95%CI -0.00~0.19)
→減量後、重篤な副作用の発症に有意差なし(RR=1.09、95%CI 0.65~1.82)
■低疾患活動性または寛解を3~12か月維持した患者にTNF阻害薬を中止する
→26~52週においてTNF阻害薬継続群の方が有意に寛解維持率(DAS28<2.6)が高かった(RR=0.56、95%CI 0.41~0.75)
→中止後52週での関節破壊の進行も有意差をもって維持群がよかった(RR=1.69、95%CI 1.10~2.59)
→中止後28~52週でのHAQも有意差をもって維持群が良かった(MD=0.18、95%CI 0.82~2.03)
→重篤な副作用発生頻度については有意差なかった(RR=1.45、95%CI 0.75~2.84)
■低疾患活動性または寛解を3~6か月維持した患者にTNF阻害薬の投与期間を延長していく
→18か月経過時点で維持群と寛解率(DAS28<2.6)に有意差なし(RR=0.89、95%CI 0.75~1.06)
→18か月時点での関節破壊の進行(mTSS>0.5)やHAQにおいても有意差なし
→18か月時点での重篤な副作用に関しても有意差なし(RR=1.24、95%CI 0.42~3.70)。
以上より、TNF阻害薬で3~12か月寛解維持したらTNF阻害薬を減量していくか投与間隔を延長させていく方針で当院は治療しています。
柏五味歯科内科クリニック
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