• 2025年10月3日

関節リウマチ(RA)において寛解後オレンシア🄬を減量していくことに関してはエビデンスあり。投与間隔を伸ばしていくことに関しては論文ないです。

関節リウマチ(RA)患者に生物製剤としてオレンシア(ABT)を用いて寛解に至ったとします。

その後の対応に関しては「減量」に関してはエビデンスがあります。「投与間隔延長」に関してはまとまった論文がなく明確な方針がないのが現状です。

■延長していくことのエビデンス

・ABT10mg/㎏+MTXにて寛解となった症例に現状治療継続かABT5mg/㎏+MTXに減量を行うかに関するRCT。

→52週後に寛解を維持できた割合はABT10群で27/58例(46.6%)、ABT5群で18/50例(36.0%)であった。

→52週後における重篤な副作用の出現割合はABT10群で3/58(5.2%)、ABT5群で3/50(6%)だった。

いずれも有意差認めなかった。

・ABT10mg/㎏加療によりDAS28-CRP寛解・低疾患活動性になった症例に対し、250㎎/4wへ減量を行った論文。

→48週後の寛解維持率は41/53例(77%)であり、重篤な副作用は 3/57(5.7%)であった。

・ABT10+MTXによりDAS28-CRPが寛解になった症例に対し、全ての治療を終了したところ

→24週での寛解率は18/73例(24.7%)

・ABT10+MTXによりDAS28-CRPが寛解になった症例に対し、MTX単剤へ切り替え

→24週での寛解率は16/34(47.1%)

・ABT10+MTXによりDAS28-CRPが寛解になった症例に対し、ABT単剤へ切り替え

→データなし。

・ABT単剤でDAS28-CRPが寛解に至った症例にABTを中止ししたところ

→24週後14/50(28%)が寛解を維持した。

RCTと観察研究におけるDAS28-CRPの寛解率の違いは投与量や患者背景や盲検化の有無によると考えられます。

ABTに関しては今のところは減量し様子をみるのがよさそうです。実臨床では患者さんの希望にも合わせて総合的判断を行い診療しています。

柏五味歯科内科クリニック

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