- 2025年10月13日
肺胞蛋白症の胸部レントゲン(X-p)写真
肺胞蛋白症をはじめから鑑別に挙げ精査していくことは胸部X-p単独では困難です。順番があります。手順を踏んでいくことで診断できるようになります。

本症例のレントゲンでは両側肺野にすりガラス陰影を認め、まず間質性肺炎を疑います。
間質性肺炎(両側びまん性のすりガラス陰影・横隔膜不明瞭化・下肺野の強い陰影・線維化を伴う横隔膜挙上)。
ただし、間質性肺炎にしては模様が強くある印象を持ち、また下肺野中心ではなく横隔膜が明瞭である点もやや違和感を覚えます。当然CTにて精査です。
■CT

所見としてはマスクメロン様の網状影、外側が保たれている所見が確認できます。このような場合、肺胞蛋白症を疑います。ここまで確認できれば「肺胞蛋白症疑い」と診断し大病院に精査紹介になります。
※肺胞蛋白症がマスクメロン様の網状影になる理由
蛋白はリンパ路から排出されます。排出すべき液体が増えたためにリンパ路が白く描出されます。リンパ路は肺の外側で発達しているため、排出スピードが速い外側は蛋白が残りません。
柏五味歯科内科クリニック
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