• 2025年9月26日

単純ヘルペスウイルス(HSV)感染症:閲覧注意

39歳男性。1年前からの痛みを伴う陰茎潰瘍が良くならず悪化傾向を認めたため受診。

既往としてHIV感染症があり、現在抗レトロウイルス療法を受けている。

月に1回程度陰茎にびらんが現れ、潰瘍化するが、特に治療をしなくても自然軽快を繰り返しているとのこと。

身体検査では中央に潰瘍形成と隆起した境界を伴う外方増殖性プラークを2つ認めた。

治癒した病変の部位には色素脱失した斑点も認めた。

臨床検査ではCD細胞数 494 /mm3 (基準範囲 414~1123)。

HIVウイルス 450コピー/ml (基準範囲 <20)

病変の生検がなされ、「表皮壊死、偽上皮腫性表皮過形成、真皮および皮下組織における炎症細胞浸潤」を認めた。

性感染症(STI)を検出する次世代シークエンスアッセイにより単純ヘルペスウイルス(HSV)2型が特定された。その他の性感染症スクリーニングは陰性だった。

免疫不全者に現れるHSV感染の稀な症状と考えられた。

経口バラアシクロビルによる治療が行われ2週間後には病変は軽快した。

N Engl J Med 2023; 388:2466

DOI: 10.1056/NEJMicm2215873

柏五味歯科内科クリニック

ホームページ