• 2025年9月26日

キシラジン関連皮膚損傷(オピオイド依存症の副作用)

32歳男性。1か月前から胸部の傷が大きくなり、救急外来受診。

フェンタニル+キシラジン(麻酔前投与薬)を首と静脈に毎日注射していた。

身体所見では、胸部上部に壊死性の創部があり、その下にある鎖骨が露出していた。

胸部CTでは軟部組織の潰瘍形成と炎症所見に加え、鎖骨の骨髄炎が示唆された。

創部培養検査が施行され、緑膿菌と腸球菌が検出された。

「軟部組織感染症と骨髄炎を合併したキシラジン関連皮膚損傷」と診断。

※キシラジン=常用すると深刻な皮膚損傷を起こすことが知られている動物用麻酔前投薬。海外で乱用が問題になっている。キシラジン関連死は世界で年間3000件発生している。

胸部デブリードマン施行。

その後皮弁再建が施行した。

抗生剤は計6週間施行された。

ブプレノルフィン療法(オピオイド依存症に対する治療)も施行され、術後6ヵ月のフォローでは創部は順調に改善し、外来依存症プログラムに参加し順調に改善を見せている。

N Engl J Med 2023; 388:2274

DOI: 10.1056/NEJMicm2303601

柏五味歯科内科クリニック

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