- 2025年10月1日
神経芽腫(生後5か月、咳嗽継続で見つかった症例)
生後5か月の男児。約2か月前から咳嗽が持続しているため心配した両親が小児科受診の運びとなった。
バイタルサイン正常。
身体検査でも特記すべき異常を認めなかった。
胸部X-p施行。心臓とはシルエットサイン陰性、脊椎とシルエットサイン陽性の腫瘤を認めた。

精査のためCT施行。後縦隔腫瘤が示唆された。

外科的生検施行。
「神経芽腫」の病理診断となった。
神経芽腫は交感神経系の組織に発生する神経堤細胞に由来する腫瘍。腫瘍が胸部の脊椎傍交感神経に由来する場合、胸部X線検査で偶然描出されることがある。本症例は腫瘤による肺組織の圧迫が患者の咳嗽の原因であると考えられた。
診断時の患者の年齢が若かったため、家族性神経芽腫の遺伝子検査が施行されたが、陰性であった。
患者は腫瘍の部分切除術を受け、化学療法が施行された。
1年後患者の状態は良好で腫瘍の再発は認めていない。
N Engl J Med 2023; 388:e56
DOI: 10.1056/NEJMicm2209267
柏五味歯科内科クリニック
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