- 2025年10月1日
関節リウマチ(RA)においてTNF阻害薬で効果不十分の場合、別のTNF阻害薬に変更するよりも非TNF阻害薬に変更した方がよい

これも悩ましい問題ですが、RCTが1つ存在します(JAMA 2016;316:1172-1180)。
・TNF阻害薬が効果不十分でDAS28-ESR≧3.2の患者300人を対象に無作為に2nd TNF阻害薬が行く群と非TNF阻害薬(RTX 28%、ABT 23%、TCZ 49%)に割り付け非盲目で52週観察。
併用薬はMTXが63%、PSLが53%であった。主要評価項目は24週後のEULAR good or moderate response。
副次評価項目はDAS28-ESR、重篤な有害事象(1回以上)の割合、重篤感染症の割合。
EULAR good or moderate response はRR=1.33、95%CI 1.10~1.61で非TNF阻害薬が有意によかった。
DAS28-ESRはRR=1.47、95%CI 0.95~2.29であり、わずかに有意差がつかなかった。
重篤な有害事象(1回以上)の割合:RR=2.00、95%CI 0.88~4.53。有意差はつかないものの非TNF阻害薬が多かった。
重篤感染症の割合:RR=0.70、95%CI 0.27~1.79。有意差はつかなかった。
この論文では非TNF阻害薬ならどの薬剤(RTX、ABT、TCZ)がよいかについては言及なし。
コスト:TCZ皮下注シリンジ(1回/2週)がIL6阻害薬の中では最も安価。
以上より、TNF阻害薬で効果が乏しい場合、2nd TNF阻害薬に行くよりも非TNF阻害薬を用いた方が成績がよい、と考え治療を行っています。
実臨床では、副作用や値段も考慮し総合判断しますので、必ずしも論文通りにはなりません。
柏五味歯科内科クリニック
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