• 2025年10月1日

カポジ肉腫(HIVによく合併します)

54歳男性。特記すべき既往なし。

約10日間続く血清下痢と3ヵ月にわたる進行性の皮膚の発赤を主訴に救急外来受診した。

身体所見としては咽頭後壁に紅斑を伴う結節性病変、

顔面、胴体、足にも紅斑性丘疹を認め、下肢には浮腫を伴った。

腹部はやや膨満だった。

血便を認めた。

採血施行。貧血を認め炎症反応上昇あり。

CTでは右側胸水、心嚢水、びまん性リンパ節腫脹、腸壁のびまん性肥厚を認めた。

翌日GFとCFが施行された。

所見としては食道から直腸まで消化管全体にわたって紅斑性ポリープ状病変が見られた。

十二指腸所見(A)、S状結腸所見(B)

その後の検査でHIV陽性が判明。CD4細胞数 45(基準範囲 300~1400)、HIVウイルス 550万コピー/mm3。

生検標本からは皮膚と腸管に病変をもつ「カポジ肉腫」であることが分かった。

CMV大腸炎も併発していた。

入院中COVID19肺炎も併発し、入院32日目に死亡した。

N Engl J Med 2023; 388:e45

DOI: 10.1056/NEJMicm2102502

柏五味歯科内科クリニック

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