• 2025年10月19日

RA患者さんの骨びらん進行抑制目的に抗Rankl抗体(プラリア🄬)は優位性をもって効果があります

関節リウマチが進行すると骨変形が進み、手指が変形していきます。手指の変形の原因は骨びらんが進行することです。その骨びらんの進行を抑制できる薬剤がプラリアです。関節リウマチ自体には効果がありませんが、骨びらん抑制には効果があることが証明されています。当院では、関節リウマチ患者さんに骨粗鬆症が合併した場合は骨びらん進行抑制をも狙ってプラリアを考慮することが多いです。エビデンスを示しておきます。

・RCT

関節破壊進行のあるRA患者にデノスマブ(プラリア🄬)投与群(n=377)とプラセボ群(n=377)を比較し、主要評価項目:mTSS(修正総Sharpスコア)、副次的評価項目:DAS28-CRP、ACR50達成率、重篤な副作用にて比較。

mTSS

 介入群はプラセボ群に比して非進行症例(12か月の変化0以下)が有意に多かった

 RR=1.23、95%CI 1.09~1.39。

DAS28

 有意差なし

 MD=-0.06、95%CI -0,07~+0,00

ACR50

  有意差なし 

 RR=1.11、95%CI 0.78~1.57

重篤な副作用

 有意差なし

 RR=0.92、95%CI 0.55~1.53

以上より、RAのコントロールという意味ではデノスマブには効果乏しいですが、「関節破壊を抑制する」という意味ではRA患者に有意差をもって効果があり、RA患者が骨粗鬆症になりやすいことも考えると、関節破壊のあるRA患者においてはBP製剤一択ではなく、デノスマブをまず用いることも考慮に入れてよいと考えられます。

柏五味歯科内科クリニック

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