• 2025年10月21日

心不全(特にEF<35%)を有する関節リウマチ患者さんにはTNF阻害薬を避ける

心不全(特にEF<35%)を持つ関節リウマチ患者でTNF阻害薬を避ける理由は、これらの薬が心不全症状を悪化させる可能性があるためです。代わりに、IL-6阻害薬など、心臓への負担が少ないと考えられる代替薬を選択します。具体的なエビデンスを共有しておきます。

■RCT

・EF<35%、NYHA classⅢⅣ(平地を歩く以下の身体活動で息切れ・疲労)のRA患者150人において、プラセボ、IFX5mg/㎏、10mg/㎏投与で、死亡と心不全入院リスクを比較。プラセボとIFX10mg/㎏では有意差がついた(HR=2.84、95%CI 1.01~7.97)。

上記RCTからEF<35%・NYHA:Ⅲ・Ⅳ症例にはTNF阻害薬を避ける事が推奨され、マージンをとり「症状は日によりまちまちだよね、EF<35%には避けた方が無難」となり、「EFが落ちた症例(EF<60%)にはTNF阻害薬は使わない方が無難」と解釈している先生も実臨床では多い印象です。

柏五味歯科内科クリニック

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