- 2025年10月20日
偽性血小板増加症:重度の火傷を負った患者では熱による赤血球膜の溶解により、自動カウンターによって血小板として誤って計測されることがあります
重症の火傷でICUに入出となった80歳女性。
住宅火災から救出され、体表面積の55%に2~3度熱傷を認めた。
採血ではPLT 93万(正常15~40万)、Hb 18.4(正常11.6~14.8)であった。
末梢血塗抹標本では微小休場赤血球(▸)球状赤血球(→)出芽突起のある細胞(*)が示された。

末梢血塗抹標本の手動分析によりPLTは11.5万であることが分かった。
以上より「偽性血小板増加症」と診断された。
重度の火傷を負った患者では熱による赤血球膜の溶解により小細胞が生成され、自動カウンターによって血小板として誤って計測されることがある。
異常な細胞が循環から除去されると偽血小板症は解消される。
入院3日目には自動血小板数も主導血小板数の両方ともPLT 9.2万を示した。
44日間の入院後、患者は安定した状態で自宅に退院した。
N Engl J Med 2023; 388:746
DOI: 10.1056/NEJMicm2209299
柏五味歯科内科クリニック
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