• 2025年10月21日

HBs抗原陽性関節リウマチ患者さんはHBV再活性化のリスク高いためHBV-DNA測定します

関節リウマチ患者さんの中にはB型肝炎にかかったことがある患者さんがいることも多いです。免疫抑制をかける前に必ず肝炎にかかったことがあるかはチェックします。その中でもHBs抗原陽性の患者さんは肝炎が再活性化する可能性が高いためHBV-DNAによるモニタリングが必要になります。その根拠となるデータを共有しておきます。

観察研究

・HBs抗原陽性RA患者123人に対しDMARD(詳細不詳)にて長期加療したところ24.4%が再活性化した。

・HBV既感染RA患者157人に対しDMARD(種類問わない)にて長期加療したところ8.28%が再活性化した。

特にタクロリムスがリスクであった。JAK阻害薬はリスクが低かった。bDMARDは3.45%だった

症例集積研究

・HBV活性化で肝不全を来たし死亡した症例報告あり

以上よりHBs抗原陽性患者やHBV既感染者はHBV-DNAを定期的にモニター(1~3ヵ月おきにフォロー)することが推奨となった(実際のところ診察毎に採血でチェック)

 

測定すべきもの:HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体→1つでも陽性ならHBV-DNA測定。

HBV-DNAがlog10>2.0を超えてくれば再活性化と診断し、HBVウイルスを減らすための核酸アナログ製剤投与が必要になる

肝フォロー(肝癌へ移行しないか)もあるので消化器内科(肝臓内科)にフォローしてもらいます。

柏五味歯科内科クリニック

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