• 2025年10月1日

皮膚筋炎(眼瞼浮腫と咳嗽症例で判明)

61歳女性。約6か月にわたる眼窩周囲の腫脹と肩の脱力を訴え内科受診。

呼吸困難感や咳嗽や関節痛は認めなかった。

受診時身体所見では、上眼瞼と下眼瞼の紅斑と眼窩周囲浮腫が著明だった。

また鼻唇溝を伴う顔面中央紅斑、背中上部の皮疹、両肩外転筋筋力低下(4/5)を認めた。

採血所見では

CK 6300 (正常値24~170)

抗核抗体320倍

p155(TIF1γ)抗体とp140(MDA5)抗体が陽性であった。

MRIでは三角筋において筋浮腫が確認された。

皮膚生検施行。真皮表皮接合部炎症細胞浸潤を認めた。

「皮膚筋炎」と診断された。

皮膚筋炎では眼窩周囲のヘリオトロープ疹に眼瞼浮腫が伴うことがある。

傾向GC、MTX、IVIG施行された。

癌精査は陰性だった。2か月後、全身状態改善、発疹、眼瞼周囲の浮腫、筋力低下は改善してきている。

N Engl J Med 2023; 388:e52

DOI: 10.1056/NEJMicm2210861

柏五味歯科内科クリニック

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