• 2025年10月7日

薬剤性肺障害(ニトロフラントイン誘発性)

95歳女性。4週間前からの呼吸困難と空咳を主訴に救急外来受診。

過去6か月尿路感染を防ぐために毎日ニトロフラントインを服用していた。

来院時SpO2 83%(r.a)。

身体所見では上肺野に吸気fine crackleを聴取。

頚静脈の拡張や浮腫はなかった。

採血所見は好中球増加あるものの、Eosの上昇は認めなかった。AST上昇なし。

胸部Xpでは上肺野において透過性低下を認めた。

CT所見では上葉有意にGGOおよび牽引性気管支拡張を認めた。

喀痰培養およびウイルス呼吸パネルは陰性だった。

画像所見とニトロフラントインの長期暴露歴、臨床所見から「慢性ニトロフラントイン誘発性肺障害」と診断された。

ニトロフラントイン誘発性(薬剤性)の肺障害のCT所見はGGO所見を取ることもあれば局在性のこともある。

治療としてニトロフラントイン中止とPSL投与が行われ、1週間後には症状は軽減した。

2か月後、再度画像評価が行われGGOはほぼ消失。気管支拡張症も安定していることが示された。

N Engl J Med 2023; 389:549

DOI: 10.1056/NEJMicm2214831

柏五味歯科内科クリニック

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