• 2025年10月20日

後尿道弁:臍から尿が出る症例

生後1か月の男児。閉塞性尿路疾患の管理のため三次救急へ搬送。

身体所見としては、腹部膨満、臍ヘルニア(ヘルニア先から尿が出ていた)、下腹部の発疹を認めた。

肺葉膀胱尿道造影では両側の拡張した後部尿道(矢印)、膀胱尿管逆流(*)を認めた。

診断は「後尿道弁」と診断された。

後尿道弁は尿道の内側にある先天性の閉塞膜である。男児の尿路閉塞の一般的な原因。

重症例では逆行性の尿の蓄積により、膀胱尿管逆流、膀胱憩室、重症水腎症、尿中腹水、臍ヘルニアが生じる可能性があり、本症例では全ての所見が見られた。

尿膜結紮術、尿腫ドレナージ、尿道弁切除術、のちに膀胱瘻閉鎖術が施行された。

その後2年間のフォローアップでは患者の発育と腎機能は正常のままであった。

なお初めの臍所見は下記の通りで尿が出ている。

N Engl J Med 2023; 388:e19

DOI: 10.1056/NEJMicm2204739

柏五味歯科内科クリニック

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