• 2025年10月22日

血清病:再生不良性貧血患者に投与したATG製剤に対するⅢ型アレルギーです

30歳男性。最近再生不良性貧血と診断され抗胸腺細胞グロブリン(ATG)(※抗リンパ球抗体、ウサギなどから作る。本症例はウマ由来)の投与を完了している。

来院2日間前から発熱、掻痒の無い発疹、足首と膝の痛みを訴え、救急外来を受診した。

来院時BT39.6℃、身体所見では胴体や上腕、下肢に紫斑状発疹を認めた。

採血では好中球減少症の悪化、CRP 11.4と上昇を認めた。。

入院後血液培養の陰性が確認され、C3、C4低下も確認された。

「血清病」と診断された。

血清病はⅢ型アレルギーに分類され、免疫複合体を形成し組織障害を引き起こす。

(Ⅲ型アレルギーにはSLEやMRA、糸球体腎炎、血清病などある)

5日間のGCの静脈内投与後、症状改善した。

ATG(ウマ)は患者の薬物アレルギーリストに追加され、再投与禁止リストに追加された。

N Engl J Med 2023; 389:749

DOI: 10.1056/NEJMicm2216266

柏五味歯科内科クリニック

ホームページ