• 2026年3月14日

急性期脳梗塞におけるミノサイクリンの有効性と安全性

脳卒中治療の進歩にもかかわらず、急性期の神経炎症は予後悪化の大きな要因です。EMPHASIS試験では、安価なテトラサイクリン系抗菌薬であるミノサイクリン(minocycline)が、急性虚血性脳卒中患者の機能予後を改善するかを検証した、中国の58施設による大規模な第3相ランダム化比較試験です。

試験では、発症から72時間以内、NIHSSスコア4〜25の患者1,724名を対象に、標準治療に加えてミノサイクリン(初回200mg、以後100mgを12時間ごとに4.5日間投与)またはプラセボを投与しました。主要評価項目である90日後の優れた機能的転帰(mRSスコア0-1)52.6%、プラセボ群で47.4%となり、ミノサイクリン群で有意に良好な結果が得られました(調整リスク比1.11)。また、mRSスコア全体の分布を評価した分析や、投与6日目時点でのNIHSSスコアの改善においても、ミノサイクリン群の優越性が示されました。

安全性についても、症候性頭蓋内出血や重篤な有害事象の発生率は両群で同程度であり、急性期における短期投与の安全性と忍容性が確認されました。

結論として、ミノサイクリンは虚血性脳卒中後の神経保護に寄与し、身体機能の回復を促進する、安全でアクセスの容易な治療オプションであることが実証されました。この知見は、安価な既存の抗菌薬脳保護薬として再利用する新たな戦略を支持するものであり、今後の脳卒中管理における重要な選択肢となるかもしれません。

Lancet 2026; 407: 679–88

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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