- 2026年2月20日
ST合剤によるDRESS症候群の一例
30歳男性。2週間前から発疹と発熱を認め精査加療のために入院加療となった。
入院4週間前に毛嚢炎の治療のためST合剤を内服した薬剤歴がある。
来院時BT39.1℃。
身体所見では胴体、腕、脚に発疹を認め(A)、
顎下リンパ節腫脹、眼窩周囲の皮膚が保たれた顔面紅斑(B)を認めた。
また入院後4日目には顔面浮腫が悪化した(C)。

入院中のピーク検査値は
Eos 3028(参照範囲40~350)、AST 989(参照値<36)、ALT 162(参照値<34)、Cre:正常、尿検査:正常。
またANA陰性、ウイルス性肝炎陰性、マイコプラズマ陰性だった。
皮膚生検により好酸球性およびリンパ球浸潤を伴う「接合部(境界部)皮膚炎」と診断された。
European Registry of Severe Cutaneous Adverse Reaction (RegiSCAR)スコアは7点でST合剤による「DRESS症候群(Drug reaction with eosinophilia and systemic symptoms);別名:薬剤過敏症症候群(DIHS:Drug-induced pypersensitivity sudrome)」と診断された。
DRESS症候群・DIHSは皮疹に加え、臓器障害、好酸球増加、リンパ節腫脹を伴う薬剤過敏性反応のことである。原因として「特定の薬剤の暴露」が挙げられ、最も多いのはカルバマゼピン(27%)、アロプリノール(11%)、ST合剤、サルファ剤、VCM、フェニトインなど多数の薬剤が報告されている。
原因薬剤の中止と支持療法で軽快する場合も多いが、RegiSCARスコア5点を超える場合は全身性のGC療法が必要になることが多い。
本患者は今後ST合剤は避けるよう指導された。
1か月後のフォロー外来では症状は軽減していた。
N Engl J Med 2022; 387:167
DOI: 10.1056/NEJMicm2116076
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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