- 2025年10月19日
関節リウマチ(RA)患者にインフルエンザワクチン接種と肺炎球菌ワクチンは可能ですが、生ワクチンは×です。

どのワクチンを打ってよいかは専門医に確認した方が無難です。
医師がどのように判断しているか、その根拠を共有しておきます。
■インフルエンザワクチン(不活化ワクチン)
RCT
・季節性インフルエンザワクチンの反応性がMTX、TNF阻害薬、TCZ、TOFで検討された。Seroresponse(血清学的反応)、Seroprotection(防御閾値以上)ともに投与、非投与でほぼ有意差を認めなかった。
細かく言うとMTX+TNF阻害薬投与中のA/H1N1に対するseroprotection、MTX+TCZ投与中のB/B1に対するseroresponse、TOF投与中のseroprotectionは低下していた。
コホート研究
・インフルエンザワクチン打っても打たなくてもインフルエンザ罹患率や死亡率、罹患に伴う合併症の割合、インフルエンザ肺炎での入院率に有意差なし。
■肺炎球菌ワクチン(不活化ワクチン;13価、23価)
RCT
・肺炎球菌ワクチン(13価、23価)の反応性がMTX、TNF阻害薬、TCZ、ABT、TOFで検討された。
seroresponse、seroprotectionいずれも有意差なかった。
コホート研究
・肺炎球菌ワクチン(13価、23価ともに)接種により、肺炎、肺炎球菌性肺炎の発症、重篤な感染症の発症率に有意差なかった。
■帯状疱疹生ワクチン
RCT
・ワクチン投与後2~3週間後のTOF投与はseroresponseに影響を与えなかった。
しかし日本では「PSLや免疫抑制剤と生ワクチン併用は禁忌」とされています。
帯状疱疹ワクチンは弱毒ワクチンでシングリックス🄬が出てきたので、そちらを打つ方が無難です。
値段は生ワクチン5000円、シングリックス25000円×2とシングリックスで高額ですが、当院ではエビデンスをもとにシングリックスのみ取り扱っています。
柏五味歯科内科クリニック
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