• 2025年10月25日

妊娠中のアトピー性皮膚炎:胎児には影響ないです。多形性妊娠発疹が鑑別です。

37歳初産婦女性。胴体、腕、脚に紅斑を伴う丘疹、結節、毛包性膿胞を認め、手のひらや足の裏には病変は認めなかった。

(A:左腕、B:左腕拡大図)

多形性妊娠発疹の可能性を考慮し、局所および経口GCが処方されたが効果を認めなかった。

皮膚生検施行。表皮下の膿胞と毛包周囲の好中球浸潤を認めた。

グラム染色陰性、PAS染色陰性、グルコット染色陰性、KOH陰性だった。

「妊娠中のアトピー性皮膚炎」と診断された。

妊娠中のアトピー性皮膚炎は妊娠に伴う最も一般的な皮膚疾患。

湿疹、掻痒を認め、本症例のように掻痒性毛嚢炎が含まれる。

妊娠時のアトピー性皮膚炎はアトピーの病歴と関連することが多いが、本患者はアトピーの既往はなかった。

この状態が胎児に危険を及ぼすことはない。

治療としてCsAと高用量経口GCが処方され、2週間後のフォローでは病変は軽減を認めた。

N Engl J Med 2023; 388:357

DOI: 10.1056/NEJMicm2207685

柏五味歯科内科クリニック

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