- 2025年11月28日
非専門医でも診る必要のあるRA⑧:抗Rankle抗体製剤(プラリア🄬)を使いこなす

関節リウマチ患者における抗RANKL抗体製剤「プラリア」(一般名:デノスマブ)の活用は、骨粗鬆症治療と関節破壊抑制の両面で重要です。効果を最大化し、安全に「使いこなす」ためには、適切な患者選択、厳密な副作用管理、他剤との併用・切り替えの理解が鍵となります。
プラリアの作用と関節リウマチ治療における位置付け
プラリアは、破骨細胞の形成・機能に必須の「RANKL」というタンパク質を特異的に阻害するモノクローナル抗体製剤です。これにより、骨吸収(骨が壊れる作用)を強力に抑えます。
- 骨粗鬆症治療薬としての効果: プラリアは、閉経後骨粗鬆症やステロイド性骨粗鬆症を含む様々な病態の骨密度を増加させ、椎体骨折や大腿骨近位部骨折のリスクを低下させます。
- 関節リウマチ(RA)における特異な役割: RA患者の滑膜細胞やT細胞上にはRANKLが多く発現しており、これが関節局所の骨びらん(骨破壊)を引き起こします。プラリアは、既存の抗リウマチ薬とは異なる機序でこの骨びらん進行を有意に抑制する効果が示されています。ただし、関節リウマチ自体の炎症や疼痛に対する効果は限定的であり、あくまで「骨保護」を目的とした補助的な位置付けです。
※効果的に「使いこなす」ためのポイント
1. 適切な患者選択と併用療法
- 骨粗鬆症の合併: 骨密度が低下している、または骨折リスクが高いRA患者が主要な対象となります。
- 骨びらんの進行例: 既存の抗リウマチ薬(生物学的製剤やJAK阻害薬を含む)で炎症コントロールはできていても、画像検査で骨びらんの進行が見られる場合に、骨破壊抑制の目的で追加・併用することが考慮されます。
- 他剤との併用: プラリアは、疾患活動性をコントロールするための抗リウマチ薬(メトトレキサートなど)や他の生物学的製剤と併用されます。プラリア自体は炎症を抑えるキードラッグではないため、基礎疾患の治療は継続が必須です。
2. 投与スケジュールとモニタリング
- 標準投与: 通常、60mgを6か月に1回皮下投与します。
- 個別化された投与間隔: 6か月に1回の投与でも骨びらんの進行が認められる場合は、医師の判断で3か月に1回に短縮することが可能です。
- 厳密なカルシウム管理: プラリアは強力な骨吸収抑制作用により、低カルシウム血症を引き起こす可能性があります。
- 投与前には必ず血清カルシウム値を測定・評価します。
- 全ての患者で、原則としてカルシウムおよびビタミンD製剤の併用補充が必要です。
- 低カルシウム血症の症状(テタニーなど)が現れた場合は、速やかに適切な処置が必要です。
3. 注意すべき副作用と対策
- 顎骨壊死(ONJ): まれですが、ビスホスホネート製剤と同様に顎骨壊死のリスクがあります。抜歯などの外科的歯科処置の前には、主治医と歯科医師の連携が不可欠です。
- 休薬時の注意: プラリアの効果は投与中止後速やかに消失し、骨代謝がリバウンドする可能性があります。そのため、原則として長期投与が前提となり、自己判断での中断は避けます。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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