• 2025年12月7日

黒白癬:てのひらの茶色のしみ(斑点)。皮膚顕微鏡検査で色素性棘。

19歳女性。

6か月前から左手のひらに大きくなる黒い斑点が出現していることを主訴に皮膚科を受診した。

石鹸や水ですすいでも軽減されなかった。

患者は右利きの大学生で、特に最近は旅行はしていないとのことであった。

身体所見では、左手のひらに鱗屑のない触知できない茶色の斑点が認められた。

右手のひらには認めなかった。

皮膚顕微鏡検査により、手のひら溝とは異なる網状パターンを形成する「色素性棘」としても知られる曲線状の茶色ストランドが明らかになった(上の黒い線が1mm間隔であることを示す)

手のひらの病変を掻把してKOH+HE染色を行うと、色素沈着した酵母および菌糸を認めた。

「黒白癬」と診断された。黒白癬は典型的には熱帯気候で見られる真菌感染症。

最も一般的には、手のひらの色素沈着過剰の斑点として現れ、黒色腫などのメラノサイト病変と間違われる場合もある。

局所ブテナフィン(ボレークリーム🄬)による治療を完遂し、3ヵ月の追跡調査で患者の症状はほぼ消失した。

N Engl J Med 2022; 387:1501

DOI: 10.1056/NEJMicm2204411

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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