• 2025年9月29日

関節リウマチにおけるステロイド(PSL)

関節リウマチ(RA)におけるステロイド(PSL)はメイン治療にはなりえませんが、発症早期の病勢を抑える、という意味合いでは有効です。

■位置づけ

特に早期RA患者さんにおいて、csDMARDとの併用で、疾患活動性、身体機能を改善させるものの、長期的には重症感染症、重篤有害事象、死亡リスクとなっている。

□根拠
・早期RAにMTX+PSL or MTX+プラセボでRCT。

2年時点でMTX+ステロイド群はプラセボ併用群に比して疾患活動性低下(DAS28で評価)に有意差(MD=-0.19、95%CI -0.26~-0.11)。

・身体機能障害につてはHAQを指標とし、ステロイド併用群で2年時点でより改善が見られた。

 (MD=-0.17  95%CI -0.23~-0.17  p<0.0001)

・重症感染症はHR=1.41、95%CI 0.80~2.49と有意差がつかない論文もあれば、HR=1.39、95%CI 1.07~1.79と有意差ついた論文もある。

・死亡についてはHR=1.72、95%CI 1.43~2.05 p<0.0001とステロイドを用いない方がよい。

ABTやTCZ、ETNにおいてステロイド併用で感染のリスクがあがりやすいという論文あり。

以上より、2年以内に中止するつもりで(できればより短い方がよいが、どこまで短くするかは基準なし)、PSLを短期的に用いるのは考慮してもよい、と判断されています。

柏五味歯科内科クリニック

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