• 2026年2月10日

更年期障害診療の要点と臨床的プロセス

更年期障害は、閉経前後の5年間(計10年間)に現れる多種多様な症状のうち、器質的変化に起因せず日常生活に支障を来す病態と定義されます。診断の要点は、卵巣機能の低下という生物学的側面だけでなく、加齢に伴う身体的変化、精神・心理的要因、社会文化的な環境因子を包括的に評価することにあります。

臨床判断プロセスでは、まず更年期女性が訴える多彩な症状から本疾患を疑います。診断の補助として「日本人女性の更年期症状評価表」を活用し、症状の程度を客観的に把握することが推奨されます。最も重要なステップは他の器質的疾患の除外です。特に症状が酷似し、好発年齢も重なる甲状腺疾患とうつ病の否定には細心の注意を払わなければなりません。血液中のエストラジオール(E2)やFSH値は閉経前後で大きく変動するため、ホルモン測定値のみを根拠とするのではなく、月経周期の変動を重視して卵巣機能の低下を推定します。

対応の判断においては、まず患者の訴えを受容と共感を持って傾聴し、QOL(生活の質)への影響度を確認します。ホットフラッシュや発汗などの血管運動神経症状が主訴であればホルモン補充療法(HRT)漢方療法、精神症状が主体の場合はSSRIやSNRIなどの抗うつ薬の併用を考慮します。標準的な治療で改善が認められない場合や、希死念慮があるなど精神症状が重篤な場合は、速やかに精神科等の専門医へ紹介する判断が求められます。当院はこのような総合判断に非常に長けた総合内科専門医が診察します。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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