- 2025年10月1日
盲腸捻転(S状結腸捻転以外に見られたcoffee bean sign)
87歳男性。既往にCKD、HT、Afがある。3日前からの便秘と下腹部痛を認め、南大西洋の離島の救急外来を受診した。
受診時バイタルは BT 39.2℃、HR97、RR 28、血圧は正常範囲であった。
身体所見では腹部の膨満と右下腹部の圧痛を認めたが、反跳痛は認めなかった。
腹部X-p施行。coffee bean sign陽性の大腸ループを認めた。

coffee bean signはS状結腸捻転や盲腸捻転の時に見られる。
腹部CTはこの離島の救急外来にはおいてなかった。
入手可能な臨床データに基づいて患者は手術室に運ばれ開腹手術が施行された。
腸損傷の無い盲腸捻転を認め、「盲腸捻転」の確定診断となった。

術中は循環動態不安定であったことと87歳という年齢が考慮され、回盲部切除術や右結腸切除術ではなく盲腸固定術および盲腸瘻造設術が行われた。
術後経過は良好で、6か月後ストマ閉鎖術が提案されたが、本人は「このままがいい」といいそのまま過ごしている。
N Engl J Med 2023; 388:1415
DOI: 10.1056/NEJMicm2210796
柏五味歯科内科クリニック
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