• 2026年3月2日

強直性脊椎炎患者に認めたチョーク骨折の一例

60歳男性。強直性脊椎炎の病歴をもつ。

転倒後、首の痛みと腕と足の麻痺が出現し、頸椎カラーをつけて救急搬送となった。

ここ5年間強直性脊椎炎の治療を自己中断していた。

診察時BP 80/40、HR 56だった。

身体検査では、C6以下仙髄を含む運動機能が残存せず、知覚は残存していた。下部頚髄の急性圧迫所見と判断された。

神経原性ショックを治療するため、昇圧剤が開始され、尿閉を治療する目的に膀胱カテーテルが挿入された。

頚部CT施行。C6~C7レベルで位置がずれた骨折(「チョーク骨折」とも呼ばれる)を伴う癒合した椎骨を認めた。

頸椎MRIも施行。脊髄圧迫が確認された。

強直性脊椎炎は骨の脆弱性の増加と病的骨折をもたらす。

軽度の外傷でも首や背中に痛みがある場合は重症度を評価するために断面画像の撮影が必要になる場合がある。

本症例では脊椎の外科的減圧術と固定術が行われた。

術後、患者は上肢の機能が回復したが、5週間後に誤嚥性肺炎を起こし、死亡した。

N Engl J Med 2022; 386:2507

DOI: 10.1056/NEJMicm2117454

柏五味歯科内科リウマチクリニック

ホームページ