- 2026年3月3日
ワクチン誘発性免疫性血小板減少症および血栓症:アデノウイルス抗原と体細胞高頻度突然変異の役割
VITT(ワクチン誘発性免疫性血小板減少症および血栓症)は、アデノウイルスベクター型COVID-19ワクチン接種後や、稀にアデノウイルス自然感染後にも生じる重篤な血栓性合併症です。抗体プロテオミクス等を用いてその発症メカニズムが解明された論文がありましたので共有しておきます。
発症の鍵は、アデノウイルスのコアタンパク質「pVII」とヒトの血小板第4因子(PF4)の間の「分子模倣」にあります。pVIIは電荷や結合特性がPF4と酷似しており、特定の遺伝的背景(IGLV3-2102または03アレル)を持つ人の免疫系がpVIIに反応する過程で、特定の「体細胞突然変異(K31E)」が生じます。この変異により、抗体の標的がpVIIからPF4へと劇的にシフトし、血小板を異常に活性化させて血栓を引き起こす病原性の「VITT抗体」へと変化するのです。
この知見は、VITTがなぜ接種から5日以降という短期間で急速に発症するのか、またなぜ極めて稀なのかを分子レベルで説明するものです。また、pVIIの構造を改変することで、将来的に副作用リスクを抑えたより安全な次世代ワクチンの設計が可能になると期待されています。














柏五味歯科内科リウマチクリニック
ホームページ