• 2026年3月21日

慢性蕁麻疹診療:クリニカルワークフローとエビデンス

蕁麻疹(じんましん)マスト細胞から放出されたヒスタミンなどの化学物質が、血管や神経に作用して膨疹(一過性の盛り上がった赤い腫れ)急性蕁麻疹、1ヶ月以上続くものを慢性蕁麻疹と定義しています。

診断において最も重要なのは丁寧な問診であり、個々の皮疹が通常24時間以内に消退することが大きな特徴です。原因は特定の食物や薬剤に対するアレルギー反応だけでなく、機械的擦過、寒冷、日光などの物理的刺激、あるいは発汗に伴うコリン性蕁麻疹など多岐にわたりますが、特に慢性例では原因の特定が困難な「特発性」が大部分を占めます。そのため、全症例に一律の血液検査(I型アレルギー検査など)を行うことは推奨されておらず、病歴に基づき必要な検査を絞り込むことが大切です。

治療の基本は、原因や悪化因子の除去と、第2世代抗ヒスタミン薬を中心とした薬物療法です。この薬剤は、従来の薬に比べて眠気などの副作用(鎮静作用)が少なく、第一選択薬として推奨されています。通常量で効果不十分な場合は、薬剤の変更や増量を検討します。慢性蕁麻疹のゴールは、症状がない状態を維持し、最終的に薬なしで過ごせるようにすることです。そのため、皮疹が消えてもしばらくは内服を続ける「予防的投与」を行い、徐々に減量していく戦略が有効です。

既存の治療でコントロール困難な難治例には、H2拮抗薬やロイコトリエン受容体拮抗薬の併用、さらに重症例ではオマリズマブ(抗IgE抗体)やシクロスポリンといった免疫学的治療も選択肢となります。また、唇や瞼が腫れる血管性浮腫や、息苦しさを伴うアナフィラキシーショックなどの緊急時には、アドレナリン投与を含む迅速な救急処置が必要です。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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