- 2026年3月24日
線維筋痛症診療ガイドライン2017
線維筋痛症(FM)原因不明の慢性疼痛と全身性のこわばりを主徴とする機能性身体症候群(FSS)です。わが国の有病率は人口の約1.7〜2.1%(推定200万人以上)と比較的頻度が高く、特に中年女性に好発する傾向があります。病態の核心は、脳が痛みに対して過敏になる中枢性感作症候群(CSS)と考えられており、身体診察や一般的な画像検査、血液検査では異常を見出せないのが特徴です。
診断には、全身18箇所の圧痛点を評価する1990年の分類基準や、痛みの広がり(WPI)と症状の重症度(SSスコア)を用いる2010年以降の診断基準が活用されます。主な随伴症状として、睡眠障害、強い疲労感、うつ状態、認知障害、過敏性腸症候群(IBS)などを高頻度に併存し、生活の質(QOL)は著しく低下します。
治療は薬物療法と非薬物療法を組み合わせた「個別化治療」が基本となります。薬物療法では、プレガバリン(リリカ)デュロキセチン(サインバルタ)、トラマドールなどの有効性が高く推奨されています。一方で、一般的な解熱鎮痛薬(NSAIDs)やステロイドは、線維筋痛症そのものの痛みには効果が乏しいとされています。
非薬物療法では、段階的な有酸素運動や認知行動療法(CBT)、鍼治療、温泉療法などが有効です。FMは目に見えない障害であるため、医療者との信頼関係構築や周囲の理解が欠かせません。長期療養の際には、障害年金や身体障害者手帳などの公的保障制度の活用、さらに患者会による情報共有を含めた多角的なサポートが重要です。















柏五味歯科内科リウマチクリニック
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