• 2026年3月26日

ネフィー🄬についての解説

深刻なアレルギー反応であるアナフィラキシーの救急治療において、新たな選択肢としてアドレナリン点鼻薬(ANS)が注目されています。2025年に欧米で承認された製剤(商品名:EURneffy)は、従来のアドレナリン自己注射薬(AAI/エピペンなど)に代わる、針を使わない非侵襲的な治療手段です。

この点鼻薬は、吸収促進剤を用いることで鼻粘膜からの素早い吸収を可能にしています。血中濃度や心拍数への影響といった薬物動態・薬力学(PK/PD)プロファイルは、筋肉内注射と同等であることが確認されています。実際の臨床データでも、約90%の症例が1回の投与で症状を改善させており、これは従来の注射製剤と遜色ない高い効果です。

メリットとしては、まず針がない(ニードルフリー)デザインが挙げられます。これにより、注射への恐怖心や誤穿刺による受傷を防ぎ、より早期の自己投与を可能にします。また、小型で携帯性に優れるだけでなく、保存条件が大幅に改善されている点も大きな特徴です。25℃以下での保管が求められる注射薬に対し、点鼻薬は50℃で3ヶ月間安定し、凍結後も解凍すれば使用可能で、光による劣化も受けにくいという優れた安定性を持っています。

使用上の重要な注意点として、一般的な点鼻薬で行われる「空打ち(テストスプレー)」は絶対に行ってはいけません。1回使い切りの容器であるため、空打ちをすると緊急時に必要な薬液がなくなってしまいます。また、重度の鼻疾患がある場合や、55歳以上の高齢者、非常に重篤なアナフィラキシー症例への使用については、さらなる研究が必要とされています。

アドレナリン点鼻薬は、医師と患者の共同意思決定(SDM)アレルギー救急管理を実現する画期的な選択肢となりえるので解説しておきます。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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