• 2025年10月7日

メソトレキセート(MTX)不応関節リウマチ(RA)患者さんに対し、JAK阻害薬は有効。単剤でもMTX併用でも。

JAK阻害薬は非常に有効で、内服薬であるため自己注射をしなくて済むなど患者さんにメリットが多い薬剤です。

しかし帯状疱疹を起こしやすかったり、腎機能障害や肝機能障害がある患者さんに使いにくいなどの特徴もあります。

そんな中、どのような場面で用いていくのが適切か、解説していきたいと思います。

■MTX不応RA患者さんにJAK阻害薬単剤で用いた場合の治療12週のデータ。

・MTX不応患者にMTX単独と比較し、JAK阻害薬単剤は有意にACR50を改善させる

(RR=3.47、95%CI 2.28~5.28)

・HAQ-DIの変化量はJAK阻害薬単剤群がプラセボより有意に大きかった

(MD=-0.31、95%CI -0.40~-0.21)

・Grade3以上の重篤な副作用に関してはJAK阻害薬とプラセボの間に有意差を認めなかった。

(RR=0.32、95%CI 0.07~1.43)

→明らかにMTX不応のRA患者さんに対しJAK阻害薬は単独切り替えでも効果ありと判断できます。

■MTXで効果不十分な患者にJAKiとMTX併用

12週ACR50(RR=3.47、95%CI 2.28~5.28)NNT=3.4。

DAS28-CRP寛解達成のNNT=4.8。

HAQ-DIも有意によいことが示されている(MD=-0.29、95%CI -0.34~-0.23)。

重篤な有害事象に関してはNNH=166.7。NNH=500。

確実性は低いが害の効果は認めた。

■TOFの全例PMS。

6866例(女性5471例:79.7%)、平均年齢63.0歳が調査され、開始後24週の観察では、重篤な有害事象は4.91%(337/6866例)に発生し、重篤な感染症は2.88%(発生率は6.64/100人年)であった。

→総合的にJAK阻害薬とMTX/csDMARDの併用投与による望ましくない効果が望ましい効果を上回ることは無いと考えられています。

柏五味歯科内科クリニック

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