• 2026年4月1日

低リスクの大動脈弁狭窄症におけるTAVR対外科的手術:PARTNER 3試験の7年予後比較

重症の大動脈弁狭窄症に対する治療において、低リスク患者を対象としたTAVR(経カテーテル大動脈弁留置術)弁の耐久性が検証されています。

対象は、手術リスクが低い(STSスコア平均1.9%)と判断された症状のある重症患者1,000名で、バルーン拡張型弁(SAPIEN 3)を用いたTAVR群と外科手術群にランダムに割り当てられました。7年時点での第一主要評価項目(死亡、脳卒中、または再入院の複合)の発生率は、TAVR群で34.6%、手術群で37.2%であり、統計的な有意差は認められませんでした。個別の項目でも、死亡(19.5%対16.8%)や脳卒中(8.5%対8.1%)の頻度は両群で同等でした。

注目される生体弁不全(BVF)の累積発生率についても、TAVR群6.9%、手術群7.5%と、両治療間で明確な差は見られず、良好な耐久性が示されています。一方で、副次的な評価項目では、心房細動の新規発症はTAVR群で有意に少なかったものの、弁周囲逆流(PVR)や弁血栓症、永久ペースメーカーの植込みは手術群の方が少ないという特徴も確認されました。

本研究の結果は、比較的若年かつ低リスクの患者においても、TAVRが外科的手術と遜色ない長期的な治療選択肢であることを裏付けており、10年間の最終報告が待たれますが、現時点で心臓弁膜症の低侵襲治療における長期的な信頼性を裏付ける極めて重要なエビデンスとなっています。

N Engl J Med. 2026;394(8):773-783. doi:10.1056/NEJMoa2509766

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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