• 2026年4月2日

再発・難治性多発性骨髄腫への新戦略:テクリスタマブとダラツムマブ併用療法の劇的な効果(MajesTEC-3試験)

再発・難治性の多発性骨髄腫は、治療を繰り返すたびに免疫機能が低下し、予後が不良となる非常に困難な疾患です。最新の第3相臨床試験「MajesTEC-3」では、T細胞のCD3と骨髄腫細胞のBCMA(B細胞成熟抗原)を標的とする二重特異性抗体テクリスタマブと、抗CD38抗体ダラツムマブの併用療法が、従来の標準治療を大幅に上回る成績を収めました。

本試験は、1st〜3rdラインの治療歴がある患者587名を対象に実施され、テクリスタマブ併用群は、標準的なダラツムマブベースの治療(DPdまたはDVd)と比較して、疾患の進行または死亡のリスクを83%減少(ハザード比 0.17)させるという圧倒的な有効性を示しました。36ヶ月時点の無増悪生存率(PFS)は、標準治療群の29.7%に対し、併用群では83.4%に達しています。また、完全奏効(CR)以上の割合は81.8%に上り、微小残存病変(MRD)陰性率も58.4%と、非常に深い治療反応が得られることが確認されました。

全生存期間(OS)においても有意な改善が認められ、併用群の36ヶ月生存率は83.3%を記録しました。特筆すべきは、治療開始後6ヶ月以降の生存曲線がプラトー(平坦)化する兆しを見せており、これまで不治とされてきた本疾患において長期生存への期待が高まっている点です。副作用として、サイトカイン放出症候群(CRS)や重症感染症が高い頻度で見られるため、免疫グロブリン補充などの適切な感染管理が不可欠ですが、これらは確立されたプロトコルで対応可能でした。本結果は、再発例に対する強力で即時利用可能な「オフザシェルフ」な免疫療法として、今後の診療指針を塗り替える画期的なエビデンスとなりそうです。

N Engl J Med. 2026;394(8):739-752. doi:10.1056/NEJMoa2514663

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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