• 2026年4月6日

40代女性の乳がん検診における超音波併用の効果:J-START試験による進行がん抑制のエビデンス

日本の40代女性にとって、乳がんは最も身近で深刻な健康リスクであり、40歳代から罹患率が急増することが知られています。乳がん検診の標準手法であるマンモグラフィは死亡率減少効果が証明されていますが、40代女性の6割から7割を占める高濃度乳房(デンスブレスト)では、発達した乳腺が病変を隠してしまい、十分な精度が得られないという技術的な限界がありました。

この課題を解決するため、日本国内の42施設で実施された大規模戦略研究「J-START」は、マンモグラフィに超音波検査(エコー)進行乳がんの累積罹患率が17%減少(ハザード比 0.83)したことが明らかになりました。

解析の結果、超音波の併用による恩恵は特に検診開始から4〜8年後に顕著に現れており、早期発見(ステージ0または1)の割合が高まることで、将来の重症化を効果的に防いでいることが示唆されました。これは、超音波を組み合わせた検診体制が、特にアジア人女性のように乳腺密度の高い集団において、進行がんを減らすための非常に有力な手段であることを世界で初めて証明した画期的な成果です。

今回の報告は、進行がんの減少が将来的な乳がん死亡率の低下につながる可能性を示す重要なエビデンスであり、今後の乳がん検診ガイドラインの策定に大きな影響を与えることが期待されています。

Lancet. 2026;407(10521):784-793. doi:10.1016/S0140-6736(25)02503-6

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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