- 2025年11月7日
悪性腫瘍併発関節リウマチ患者さんにTNF阻害薬を用いてよいのか?
この問題は前向きに試験を組むことが困難なので、メタアナリシスから考えます。
・13598患者、32473人年の解析。TNF阻害薬の投与はcsDMARD投与に比して癌の再発リスクを上昇させなかった(RR=0.95、95%CI 0.83~1.09)
・乳癌の既往を有するRA患者1784人を対象にMTXの投与により乳癌の再発率が上がるか検討
→有意差なし(HR=1.07、95%CI 0.67~1.69)
一方真逆の結果の論文もある。
・非メラノーマの悪性腫瘍歴をもつRA患者を対象にMTXの投与により再発率の有意な増加を認めた
(HR=1.60、95%CI 1.08 ~2.37)
→上記の結果から現在では「固形癌治療後十分な時間が経過し、癌が治癒したと考えられる症例ではbDMARD投与は可、MTX投与可」という見解の医者が多い。IL-6阻害薬やABT、JAK阻害薬はデータに乏しいです。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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