- 2025年11月7日
関節リウマチ患者が関節を痛がっている時にはステロイド関注は患者さんの主観的評価を改善させます

関節リウマチ患者に対するステロイド局所注射(関節内注射)は、患者主観的評価(痛みやこわばりなど)を改善させる効果があります。
- 疼痛と機能の改善: ステロイドは強力な抗炎症作用を持つため、注射により関節局所の炎症を迅速に抑え、それによって痛みを軽減し、関節の可動域や機能を改善させることができます [1]。
- 迅速な効果発現:全身投与薬と比較して効果が早く現れることが多く、症状が強い時期や特定の関節のみが特に悪化している場合に有効な治療選択肢となります [2]。
- QOLの向上:痛みの軽減と機能改善は、患者の日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)の向上といった患者主観的評価に直接的に繋がります [1]。
ただし、効果は一時的であり、持続期間は数週間から数ヶ月程度であることが多いです 。また、頻繁な注射は関節組織の損傷や感染症のリスクを伴うため、回数や頻度は制限されます 。
この治療法は、全身薬による治療の補助療法として、あるいは特定の関節に炎症が集中している場合に補助的に行われます。主なエビデンスは下記のものがあります。
症例報告のメタ解析
・膝関節、手関節ともにステロイド関節内注射で有意な疼痛改善が得られた
(膝:SD-1.79、95%CI -2.17~-1.4、手関節:SD-4.41、95%CI -5.12~-3.70)
・HAQ-DIもステロイド関節内注射で有意に改善を認めた。
SD-0.75、95%CI -0.89~-0.61
※いずれもステロイド関節内注射は「単回」での結果であり、繰り返すとどうなるかはわかっていない。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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