• 2025年11月7日

ドセタキセル関連色素沈着過剰症:蛇行静脈上の色素沈着を起こす薬剤として、ドセタキセル、ビノレルビン、フルオロウラシルが知られています。

58歳女性。既往としては転移性子宮平滑筋腫がある。

約1か月前から腕に掻痒の無い発疹が現れ、皮膚科を受診した。

来院6週間前にゲムシタビンとドセタキセルによる緩和化学療法が開始されており、これらは末梢静脈から投与されていた。

以前の静脈アクセス部位の両手背にも色素沈着過剰のプラークが観察された。

黒ずんだ皮膚は表在静脈のネットワークに沿って直線的なパターンで腕まで伸びていた。

皮膚病変はわずかに触知できたが圧痛は認めなかった。

「ドセタキセル関連色素沈着過剰症」と診断された。

蛇行静脈上の色素沈着を起こす薬剤として、ドセタキセル、ビノレルビン、フルオロウラシルが知られている。

皮膚の色素沈着過剰のメカニズムはまだ不明であるが、原因薬物を回避すれば色素沈着の改善反応は良好である。

この患者はその後の化学療法のために中心静脈カテーテルが留置され、治療が継続された。

2か月後には皮膚所見は消失していた。

N Engl J Med 2022; 387:e67

DOI: 10.1056/NEJMicm2207158

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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