- 2025年11月13日
若年性特発性関節炎(JIA:juvenile idiopathic arthritis)はブドウ膜炎に特に注意です。

16歳未満の子どもに発症する、原因不明の慢性関節炎(若年性特発性関節炎:JIA)のうち、関節に炎症が起きるタイプをJIAと呼びます。症状として関節の腫れ、痛み、熱感、朝のこわばりなどがあり、進行すると関節の変形や成長障害につながることもあります。
■関節型JIAの特徴
- 関節の炎症: 関節の腫れ、痛み、熱感、動きの制限、朝のこわばりが主な症状です。
- 進行性: 炎症が続くと、関節の隙間が狭くなり、関節の変形や成長障害をきたすことがあります。
- 多様な病型:
- 少関節炎: 比較的少ない関節に炎症が起こるタイプ。
- リウマトイド因子陰性多関節炎: 5カ所以上の関節に炎症が起こるタイプで、幼い女児に多いとされます。
- リウマトイド因子陽性多関節炎: 5カ所以上の関節に炎症が起こるタイプで、成人にも見られる関節リウマチに似た症状を呈することが多いとされます。
- 併存症のリスク: ぶどう膜炎(目の炎症)を合併することがあり、注意が必要です。
この中でもブドウ膜炎の再燃には注意です。なぜならぶどう膜炎は関節の活動性に並行せず、多くが無症候性、潜在性だからです。ブドウ膜炎の特徴を共有しておきます。
・ぶどう膜炎の多くは関節炎発症後4~7年で起きる。
・関節の寛解に伴い、薬剤変更や治療中止でぶどう膜炎が再燃するので、眼科フォローは続ける。
・リスク因子とすると小関節炎型、関節炎早期、抗核抗体陽性、RF陰性、抗CCP抗体陰性。
・HLAB-27陽性例で急性・症候性にぶどう膜炎を発症するリスクが高くなる。
※以下はエビデンスです。
・JIA123人を後方視的に解析した論文では16歳以降にぶどう膜炎を発症したのは3人。(16歳未満でぶどう膜炎を発症したのは16名)
・ぶどう膜炎は発症すると成人期にもぶどう膜炎が残存している事が多い。
・ぶどう膜炎は発症から24年後も半数は炎症が残存していた。
柏五味歯科内科リウマチクリニック
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