• 2025年11月18日

両側横隔膜麻痺:C3~C6の脊柱管狭窄症が悪化した結果、呼吸不全に至っています。CPAPの適応です。

34歳男性。

10日間にわたる息切れを主訴に救急外来受診。

息切れは前かがみになったり仰向けになったろすると悪化し、直立して座ると改善するものだった。

診察時、呼吸数36回/分、直立して座っている時はSpO2 98(r.a)、仰向けで寝ている時はSpO2 88(r.a)だった。

身体所見としては胸があがる時に腹部が凹み、胸が下がると腹部が膨らむという形式の呼吸を認めた。副吸気筋が働いていた。

これは奇異性腹壁運動といって、横隔膜麻痺の患者に見られる所見である。

胸壁の副筋肉が収縮して胸の圧が下がると弱くなった横隔膜が上向きに動き、腹壁が内側に動く(腹部がへこむ)という動きなる。

X-pにて横隔膜の動きを確認し、吸気時と呼気時に横隔膜の動きが欠如していることが確認された。

肺活量測定により、患者が直立姿勢から仰臥位に移動すると努力肺活量が50%以上減少することも確認された。

「両側横隔膜麻痺」と診断された。

頸椎MRI施行され、C3~C6までの脊柱管狭窄症と診断された。

夜間CPAPが導入された。

N Engl J Med 2023; 389:e22

DOI: 10.1056/NEJMicm2302397

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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