• 2025年12月20日
  • 2025年12月22日

大理石骨病(指定難病326):遺伝子CLCN7の変異

38歳男性。特記すべき既往なし。家族歴として父親と父方の祖母が大理石骨病(破骨細胞の機能障害。骨破壊が出来ず、全身の骨がびまん性に硬くなっていく)。腰痛を訴え家族歴があるため内科紹介受診となった。

身体所見では異常を認めなかった。

胸椎CTでは各椎体の上部・下部終盤に境界明瞭の硬化帯(矢印)が示された。

これは「サンドイッチ椎骨」として知られる所見。

さらに椎体の全面および側面に椎体の内部に硬化性領域(▷)を認め、「骨の中に骨」のような外観が認められた。

骨折は存在しなかった。

遺伝子検査が施行され、遺伝子CLCN7の変異が特定され、常染色体優性「大理石骨病」と診断された。

患者の破骨細胞は骨を吸収できないため、主に脊椎、骨盤、頭蓋底の骨密度が増加する。

「サンドイッチ椎骨」と「骨内の骨」を見たら遺伝子検査を行う必要がある。

患者の腰椎は支持療法によって軽減された。

4年間にわたるフォローアップでは圧迫性神経障害や骨折は発生していない。

 

※大理石骨病(指定難病326)

破骨細胞の形成や機能に関連する遺伝子異常病。

新生児型/乳児型、中間型は常染色体劣性遺伝、遅発型は常染色体優性遺伝。

・新生児型/乳児型は重度の骨髄機能不全、脳神経症状、水頭症、低Ca血症、成長障害。汎血球減少で乳児期までの死亡率高い。

・中間型は小児期に発症して、骨折、骨髄炎、難聴、低身長、歯牙の異常。骨髄機能不全は重篤にならない。

・遅発型は骨髄機能不全は認めず。病的骨折、下顎の骨髄炎、顔面神経麻痺などで診断されること多い。X-p所見で椎体終盤の硬化像(サンドイッチ椎体、ラガージャージ椎体)などが特徴。

いずれも確立された治療法はない。新生児/乳児型では骨髄移植や造血幹細胞移植など試みられている。

基本対処療法。

予後は新生児/乳児型では貧血・出血・肺炎・敗血症などにより乳幼児期に死亡する率が高い。

中間型は不明な点が多く予後定まっていない。

遅発型は生命予後よい。骨髄炎・進行性の難聴・骨折の治癒遷延などADLが問題になる。

N Engl J Med 2022; 387:e27

DOI: 10.1056/NEJMicm2202055

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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