• 2026年1月5日

心電図の読み方17 V2-4 陰性T波の鑑別は3つ:① Recent MI(亜急性心筋梗塞)② タコつぼ心筋症 ③ Wellens症候群

80歳女性。胸痛

所見:V2-4に陰性T波。

※V2~V3の陰性T波を見た時の鑑別。3つ。

Recent MI(亜急性心筋梗塞)

「MIの急性期からの変化はまずT波が上がってきてST上昇にあり、12時間くらい経つとSTの平坦化が始まり、24時間後くらいからT波が陰転化してくる」という一連の流れを覚えておく。時期としては数日たったくらいの可能性もあるか?と考える。亜急性心筋梗塞。

 採血ではまだCK上昇やTPT上昇ある。UCGでは壁運動異常があり診断つく。

タコつぼ心筋症

 何らかの原因でストレスがかかると、二次性に心筋障害が発生する。UCGで心尖部の壁運動異常。

 確定診断は心カテで冠動脈狭窄がないことを確かめる事。

 高齢になると「タコつぼなら心カテをしない」という選択肢も出てくるが、循環器に一報入れておいた方が無難。

 一般的なタコつぼ型心筋症の経過として「発症24時間程度まではST上昇、24時間過ぎると陰性T波が出現。数日でTはは一旦平坦化するものの、14日くらいで再度陰性T波が出現し、1ヵ月くらいで元に戻る」。この経過を知っておくと、陰性T波を見た時24時間くらい前のエピソードや約14日前の患者のエピソードを聞きたくなる。

Wellens症候群

 左冠動脈近位部の高度狭窄が示唆されている症候群。近い将来心筋梗塞に至るリスクが非常に高い(しかも左冠動脈近位部なのでMI起こしたら非常に危ないことが予想される)。

 →UCGや採血にて確認。仮に無症状の心電図異常で来院しても、やはり循環器内科にコンサルトし、なるべく早く心カテやってもらっておいた方が無難。循環器内科医の判断としては、この心電図(V2-4の陰性T波)+胸痛+CK正常+TPT正常+UCG正常所見から、翌日カテでOKと判断する循環器内科医がいてもおかしくないし、即日の方が安全と判断する循環器内科医がいてもおかしくない。時間にもよると思われるが、なるべく早くカテをやりたいと考える循環器内科医の方が多いと思われる。「なんか胸痛が楽になってきたから」と言って帰宅許可するのは×。循環器内科医がどのように考えて判断していくかもわかるようになっておくとよい。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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