• 2026年1月5日

心電図の読み方26 J波症候群(早期再分極との違いを解説しています)

23歳男性、失神発作。

所見:PとQRSは連続性がある。V3~V6で早期再分極が疑われる。その場合なら下に凸で予後良好パターンが疑われる。

→これでは失神は起こさない。

→失神を起こす下に凸の早期再分極パターンを考えてみる。

早期再分極症候群(J波症候群)の可能性を考えておく。

 

※J波症候群(早期再分極症候群)

2008年にVF蘇生後患者の心電図で報告された。心臓突然死と関連性あり。

特徴

  • 心電図所見: 12誘導心電図のII, III, aVF(下壁誘導)やI, aVL, V4-V6(側壁誘導)でJ波(J点の上昇)が1mm以上認められる。
  • 症状: 失神や心室細動による突然死を引き起こすことがある。
  • 原因: 心筋細胞のイオンチャネル(カリウムチャネルなど)の機能異常による遺伝子の変異が原因で、Brugada症候群と共通の遺伝子が関与する。 
  • 危険なJ波: 下壁誘導(II, III, aVF)で見られるJ波や、J波の振幅が脈拍数に依存して増大する(頻脈依存性)J波、低体温、心筋梗塞、QT短縮症候群などを伴う場合はリスクが高い。
  • 良性のJ波: V4-V6誘導(側壁誘導)に見られるJ波は、健常者にも多く見られる良性の変化とされることが多い。 

■J波:下壁誘導や側壁誘導(胸部誘導にも併存)に見られたら注意。

■早期再分極(下に凸:予後良好)のパターン(早期再分極は胸部誘導で早期再分極が確認されることが定義)

本症例はJ波症候群か早期再分極か鑑別し切ることは不可能だが、「J波症候群の可能性のある23歳が失神を起こした」可能性について循環器にコンサルトしてよい症例と言える。

早期再分極パターン+失神=J波症候群を疑うことがポイント。

早期再分極における予後のデータ

Cが圧倒的に良くて、AとBが悪い。ポイントは早期再分極後のSTの形。上がっていれば予後よい。たいらや下に下がっていると予後悪い。

本症例は「失神」で運ばれてきたからJ波症候群を考えるが、「失神」がなく偶然撮影されたECGの場合、「早期再分極/J波症候群の可能性も否定はできず」ということになり、経過観察でよい症例に変化する。

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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