• 2026年2月15日

重症筋無力症:「眼瞼下垂の増強」所見(眼瞼下垂の能動的挙上により両側への神経刺激が減少し、対側の眼瞼が弛緩し下垂する所見を認めた症例

23歳男性。1か月前から複視と右側のまぶたの垂れ下がりが出現し、内科外来受診となった。

症状は夕方の方が悪く、ろれつが回りにくいといった症状や、嚥下困難や四肢の筋力低下などはなかった。

神経学的所見としては、両側の目の外転と内転制限、および右眼瞼下垂が顕著であった。

眼瞼下垂を認める右眼瞼を手動で持ち上げると、左眼瞼が垂れ下がる症状を認めた。

「眼瞼下垂の増強」として知られるこの所見は重症筋無力症に特徴的にみられる所見。

「眼瞼下垂の増強」所見は眼瞼下垂の能動的挙上により両側への神経刺激が減少し、対側の眼瞼が弛緩するというメカニズム。

胸部CTでは胸腺に異常を認めず。

「重症筋無力症」と診断された。

重症筋無力症では外眼筋の関与が非対称であることが多く、両側の筋肉への神経刺激が同等に維持されているにも関わらず、眼瞼下垂の程度は異なることが多い。

治療としてはピリドスチグミン(メスチノン🄬:末梢性コリンエステラーゼ阻害薬:アセチルコリンの分解阻害)とPSLによる治療が開始された。

1か月後の外来フォローでは症状は劇的に改善している様子が確認された。

N Engl J Med 2022; 387:e7

DOI: 10.1056/NEJMicm2200050

柏五味歯科内科リウマチクリニック

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